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文化の担い手は誰であろうか。おそらく、そこに暮らす住民だけでは充分ではない。大阪では「観光立都・大阪」宣言が
策定されるなど、市民、経済界そして行政が一体となって観光・集客の促進、すなわち人が集まる都市づくりを進めている。
住民だけではなく、観光客やビジネス客、留学生などを含めた広義の<ビジター>をまちの担い手とみなすことで、
新たな都市の活力が生まれる。それによって対外的な都市像の変革をうながし、同時に、市民の「都市愛」を生むことに
つながる。<文化立都・大阪>の実現に向けて、世界中から人々が大阪に集い、そこに住む人々とともに新しい文化を創造して
いく仕組みづくりを構築していかなければならない。
また多くの<ビジター>を受け入れることが、空洞化した都心に住まい手を呼び戻すことにつながる点も重要である。
都心居住の推進が重要な課題となっている。 |
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寺院や神社などの門前に成立した都市がある。市場や港などを核にかたちづくられた都市がある。また為政者の手によって
城下に計画された都市もある。歴史をひもとくならば、都市は実に多様な発展をみてきた。しかし共通する本質のひとつとして、
多くの人が出会い、集い、そして交流する場が用意されたという点をあげることができる。
人々の交流はにぎわいをもたらし、祝祭がかたちづくられてきた。聖なる存在との関係のなかで、あるいは市民それぞれの
祝い事として、また都市そのものを讃えるために、私たちは祭りを用意してきた。
都市は「神殿」にもたとえられる。文化によって都市の再生をめざすとき、私たちは都市本来の機能であるその祝祭性に
あらためて注目すべきであろう。
大阪にあっても、都市の祝祭空間化をいっそう強化すべきではないか。都市全体ににぎわいの場を展開させ、 市民が主体となる楽しみのさらなる発展を促し、四季折々のイベントを拡充することが望まれる。
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