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関西・大阪21世紀協会は「文化力向上」「関西・大阪のイメージ向上」「水都大阪まち育て」の三本を軸に「関西・大阪の文化力向上」を目指します

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鰻鍋

鰻のちりだから「うなちり」

大阪環状線・寺田町駅近くに佇む「魚重」の創業は昭和10年。福井県鯖江市から上阪した故重之助さんが板前修行を経て、独立したのがはじまり。当初は鰻の専門店であったが、やがて業容を拡大した。
「他店にない名物料理を、と鰻が主流の創作鍋『うなちり』を考案しました」と話すのは2代目女将の髙島廣子さん。「発売前に試食した父が、これは鰻のてっちりやなと言ったんです。それで『うなちり』という名前になりました」と廣子さんは名前の由来を振り返る。すぐに登録商標をとって、メニューに加えたところ、お客さんの支持を得て、店の看板メニューになるのに時間はかからなかったそうだ。今から、約40年前の昭和44年のことである。
この鍋のヒットで店は勢いを得、平成の世の始まりと共に屋号を「魚重 桜美琴」に改名。同時に店舗も完全リニューアルするに至った。

「うなちり」は昆布を入れた鍋にまず野菜を入れ、白焼きにした鰻をにせてフタをし、ゆっくりと炊いて、ポン酢でいただく。鰻は腹開きで直焼きの関西風だ。「ゆっくり、ぽってりと炊くのがポイント」なのだそう。不思議なほどに煮崩れず、さらに脂がほとんどでない。「あっさりと淡白な味わいは、ふぐにも負けないほどなんです」と廣子さん。そのため、一人前一匹の鰻をペロリと平らげることができる。
ふっくらとした鰻は驚くほどに柔らかい。口の中で溶けていくような食感だ。野菜にダシが絡み、旨さが広がる。

こだわりの鰻、こだわりのポン酢。雑炊でシメる

鰻は国産のものを活けのまま入荷する。「1~2週間ほど、生け簀でねかせます。一定の温度の冷たい水に入れておくことで、身が締まるんです。美味しい鍋になってもらうための準備期間であり、教育期間でもありますね」。大きさは約40センチ程度でほぼ均一だ。仕入れ先とのつきあいは先代からのもので、素材の確かさは老舗ならでは、と言えるだろう。
酸味控えめのまろやかなポン酢は、自家製だ。「毎年10月に徳島の契約農家から送られてくるすだちを、1週間かけて絞ります。青いうちに絞らないと甘味が出てきてしまうので、総出で作業するんですよ。年に一度の大仕事です」と廣子さんは話す。オリジナルのポン酢は、「うなちり」の味わいに欠かせぬ重要な役割を担っている。  
鍋の具材は白菜、春菊、大根、牛蒡、椎茸、人参、葛きり、筍、エノキ、さつまいも。そして、若布が入っているのが珍しい。さらに秋だけ、高知県特産の四方竹という珍しい筍が加わるのだとか。
シメは雑炊にするといい。鰻の旨味がきいたダシを存分に楽しめる。具のひとつであるさつまいもが甘味ととろみの元となり、独特の味わいを醸しだす。
鍋なので秋冬のシーズンに予約が集中するそうだが、滋養強壮作用のある鰻は、むしろ夏に食べてみてはいかがだろうか。また、鰻にはコラーゲンがたっぷり含まれているので、美肌作用も期待できる。

鰻鍋の三兄弟。あっさり派?ほっこり派?

「うなちり」には弟がいる。「うな次郎」と「うな三郎」の三兄弟なのだ。「うな次郎」は薄口醤油のダシで炊いたすき鍋で、粉山椒でいただく。「うな三郎」は特製ブレンドの白味噌味のダシで炊いた鍋で、こちらも粉山椒がオススメ。
ポン酢でいただく「うなちり」が一番人気だが、「うな次郎」「うな三郎」の根強いファンも多いという。あっさりとした味わいの「うな次郎」、ほっこりとした味わいの「うな三郎」。どちらも捨て難い。
魚重 桜美琴は風情ある佇まいも魅力だ。間口の広い店構えは、料亭と呼んでも過言ではない風格があるが、手頃なメニューもあり、実は知る人ぞ知る店なのだ。
全部で18ある部屋は数奇屋風で、各所に坪庭が配され、趣がある。完全個室なので、接待や法事などの利用も多い。大広間は最大150人の宴会も可能で、企業のパーティや結婚披露宴の会場としても相応しい。
鍋以外に会席料理にも定評があり、昼の会席は2310円からとリーズナブルに楽しめる。お勧めは’10年11月まで実施中のお得なキャンペーン「なごみプラン」。オードブル風会席+飲み放題で4880円とは懐に嬉しい。

「鰻の鍋の美味しさをたくさんの人に知ってほしいんです。とろける食感と舌触りで、記憶に残る味ですよ」と廣子さんは締めくくった。


「うなちり」写真は4人前。意外とあっさりしているので、一人一匹の鰻はペロリ。一人前4620円。


ぐつぐつと煮立てば、出来上がり。ふっくらとした鰻が美味。


2代目女将の髙島廣子さん(左)と若女将の育代さん(右)


鰻は腹開き、直焼きの関西風に仕上げている。白焼きにして、鍋に入れる。


シメには雑炊がオススメ。鰻の旨味がたっぷりのダシもご馳走だ。

会席料理にも定評がある。
   

大阪市天王寺区寺田町2-5-19
11:30~22:00 (LO 20:30) / 無休
JR大阪環状線寺田町駅から徒歩1分
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