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関西・大阪21世紀協会は「文化力向上」「関西・大阪のイメージ向上」「水都大阪まち育て」の三本を軸に「関西・大阪の文化力向上」を目指します

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カレー鍋

苦悩の末に生まれたカレー鍋

2005年にカレーうどん専門店のオーナーとして独立した宮上さん。その後、店名を「宮がみ屋」として営業を続けていたが、当時は苦悩の日々を送っていたという。「経営があまり上手くいっていませんでした。そんな時、“うどん屋"には“うどん鍋(うどんすき)"があるから、“カレーうどん屋"にだって“カレー鍋"があったっていいんではないか?という発想が閃きました」とカレー鍋発案のきっかけを教えてくれた。
それからは、理想のカレー鍋を実現するべく試行錯誤の日々が始まった。「カレーって、どろっとした濃厚なイメージがあると思うんです。そのままのイメージで鍋を作ると、くどくて食べられないので、そこが一番のポイントで、とても悩みました」と宮上さん。幾度も試作を繰り返して、現在のカレー鍋に至ったのだという。
そのカレー鍋が運命をガラリと変えることとなる―。
「宮がみ屋」でカレー鍋が登場した時を同じくして、偶然にも東京でカレー鍋ブームが起こったと宮上さんは話してくれた。「本当にラッキーだったと思います。東京のある店が、ほとんど同時期にカレー鍋を出すようになって、たちまち流行したんです。すると、東京のメディアが私の店の情報をききつけて、各メディアに取り上げられるようになりました。そこからカレー鍋の人気に火がついたんです」。
また、芸能人や有名人が足しげく通う店としての注目も集まり、そこから一気に知名度が上がっていったのだとか。

 


カレー鍋は1人前2480円(うどん食べ放題付)。スパイシーな香りが食欲を刺激する。写真は2人前。


細めのうどんは喉ごしが良いのでツルツルと食べられる。

門外不出の醤油やスパイスなどを使ったスープ

「宮がみ屋」のカレー鍋には、企業秘密がたくさん詰まっている。例えば、味付けに使用している醤油。これは、門外不出のレシピで製造されているもので、四国から仕入れている。「この醤油じゃないと、ダシの味が決まらないんです。適度な塩分と独特の風味と香りが、カレー鍋のダシには欠かせません」と宮上さんは話す。醤油と同様に、門外不出のレシピを守っているのが特製のカレーペーストで、数種類のスパイスや野菜などをミックスして作られているそう。これはごく限られた人しか、詳しい内容を知らないという。
そんなカレー鍋の具は鶏肉、豚肉、海老、巾着、大盛りのもやし、白菜、キャベツなどボリューム満点。さらに、コラーゲン入りの細うどん、またはちゃんぽん麺が食べ放題でセットに含まれている。「カレー鍋に使っているうどんは改良に改良を重ねた結果、細めのうどんになったんです。細めのうどんだと喉ごしが良いので、お腹いっぱいでも食べられると評判なんですよ」と宮上さんも太鼓判を押す。
「具材がこれだけたくさんあるので、どれから入れたらいいのかとお客さんによく聞かれます。そんな時はいつも“好きなように入れてください"とお話しています。鍋は、みんなでわいわいと囲んで食べる楽しいものだと思っているので、あんまり深く考えずに食べたいものをどんどん入れて作ると、美味しくなりますよ」とのこと。ただし、うどんは具材を半分くらい楽しんだ後に入れるのがおすすめだとか。「うどんを最初から入れてしまうと、スープにとろみがついてしまうので、野菜や肉類を半分くらい食べてからうどんを入れるのがおすすめです」と宮上さん。
野菜や肉類などの旨みが加わったダシは、より深い味わいへと変わっていく。カレーの風味は全くしつこくなく、いつまでも食欲を刺激してくれるので、どんどんと食べ進んでいってしまうほど。また、各テーブルには、おろしにんにくや特製カレーペーストが置いてあり、カレー鍋にそれらを少し加えるとガラリと味わいが変化して、新しい魅力が生まれる。自分好みのカレー鍋に仕上げることができるのだ。

シメはチーズ雑炊で

カレー鍋のシメには名物ともいえるチーズ雑炊480円を忘れずにオーダーしてほしい。「カレー鍋を食べ終えたダシだしで、作るのが美味しいんです。野菜や肉類、海老などから出る旨みが合わさったダシで作る雑炊は格別なんですよ」と宮上さん。雑炊のために特別に仕入れているチーズがたっぷり入っているのでとてもまろやか。チーズのクリーミーな味わいとスパイシーなカレーの風味は、意外とあっさりしていて、お年寄りもペロリと平らげてしまうのだとか。
「カレー味って老若男女が好きな味だと思うんです。実際に店に足を運んでくれるお客さんや通販でカレー鍋を購入してくれる人たちは、年齢層が幅広いんです。そんなお客さんには精いっぱいのサービスをしたいと思うし、まだカレー鍋を食べたことがない人にはぜひ一度食べてみてほしいです」と熱い思いを話してくれた宮上さん。30歳の若きオーナーの情熱と、人気が定着し、大阪を代表する鍋のひとつになりつつあるカレー鍋から、これからも目が離せなそうだ。


「お客さんに美味しい!と言ってもらえるのが何より嬉しいです」と話す宮上さん。


とろ~りチーズと玉子で、まろやかな味わいの
チーズ雑炊は女性にも大人気。


有名人のサインなどがズラリと並ぶ。
   

カレー鍋の味を求めて、遠方から足を運ぶ人も少なくない。

大阪市中央区南船場4丁目10-21 大阪屋エコービル1F
11:00~16:00(LO15:00)、18:00~23:00(LO22:30)
※予約次第で深夜営業もあり / 不定休
地下鉄各線心斎橋駅から徒歩5分
TEL: 06(6245)1588 FAX: 06(6245)1588
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