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だし:牛コツスープ、鶏ガラスープ、煮干しだし、コチュジャン、味噌、塩辛の汁
つけだれ:なし
シメ:雑炊、うどん
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チゲとは韓国語で「鍋物」を表す言葉。メインの食材によってその名前が変わり、白菜キムチが主役ならキムチチゲ、みそ味のチゲはテンジャンチゲ、豆腐を使えば豆腐チゲと呼ばれる。
「韓国伝統文化事典」(2006年、編:国立国語院編、原著・翻訳:趙 完済、翻訳:三橋 広夫)には『チゲは、肉や野菜にコチュジャン・味噌・また塩辛の汁などを入れ、さらにいろいろなヤンニョムを入れて煮詰めたおかずである。』とある。ヤンニョムとは合わせ調味料の総称で、ここではコチュジャン、味噌、塩辛の汁を合わせたものを指す。ここには『煮詰めたおかず』とあるが、飲食店などで提供されるチゲや、家庭で食べられているチゲは土鍋などにたっぷりのだしを加えて煮る鍋料理として楽しまれている。
キムチチゲには、食べ残してすっぱくなってしまったキムチや、よく発酵したキムチを加える。ヤンニョムがしっかりとなじんだキムチをたっぷり加えれば、だしに手間をかけなくてもおいしく仕上がる。
キムチを予め水洗いしたり、コチュジャンを加える量で辛さを調整することも可能だ。しかし、現在では、各食品メーカーからキムチ鍋の素などが広く流通し、家庭では本来の作り方をすることは少なくなっている。ヘルシーな豆腐が主役の豆腐チゲも人気があり、専門店やランチメニューとして提供する飲食店が人気を集めている。
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大阪の鶴橋、生野、桃谷はコリアンタウンとしてよく知られた街だ。商店街にはびっしりと韓国食材店や食堂、伝統衣装を売る店などが並び、韓国の文化が詰まっている。
戦前、戦中、戦後を通して、多くの韓国・朝鮮人が日本にきた。そして、たくさんの店が生まれた。
現在では、コリアンタウンにとどまらず市内各所や全国各地に韓国料理店ができるほど、人気の料理となった。中でもチゲは家庭でも手軽にできる、たくさんの野菜を食べられる、健康食品ブームなどによるキムチ人気の向上によって、近年一気に知名度があがった。市販のチゲ用スープや、韓国食材などがより手に入りやすくなりさらに身近な鍋として根強い人気を保っている。
飲食店では、大勢で囲み調理しながら食べる鍋としてのチゲに加え、一人用の鍋で煮て完成したものを提供するところもある。後者のほうが、『煮詰めたおかず』という定義に当てはまっているが、どちらも使う具材やだしは同じである。
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<主な具材>
★キムチ
豆腐、ハクサイ、白ネギ、豚ばら肉、牛肉、タマネギ、エノキダケ、トック
シメ:雑炊、うどん
<だし>
牛コツスープ、鶏ガラスープ、煮干しだし、コチュジャン、味噌、塩辛の汁
<つけだれ>
なし
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キムチのつけだれにはアミエビの塩辛や、たくさんの唐辛子など旨みの素がたくさん含まれている。キムチチゲはキムチの味でおいしさが決まるので好みのものを見つけたい。
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・具材はすべて適当な大きさに切る
・鍋に豚バラ肉やキムチなどの具材を入れてヤンニョムと炒め合わせる
・ヤンニョムが全体にいきわたったら、だしを加えて煮る
・シメはごはんを入れて雑炊にしたり、うどんなどの麺を入れることもある
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・だしは、韓国食材店で市販されている牛コツスープや、顆粒の鶏がらスープなどでもOK
・使う具材はお好みで。肉、魚介、野菜と幅広い具材で楽しむことができる
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