だし:酒、薄口醤油、生姜汁 甲羅をはずして内臓ごとぶつ切りにしたスッポンを土鍋で煮た鍋。スッポンが冬眠に入る前の秋から冬にかけてが旬。 スッポンを捌くには、まず甲羅を下にして置く。そうすると首をぐっと伸ばしてひっくりかえろうとするので、伸びたところをつかんで手際よく首を切りおとし、胴体側の切り口を下に向けて生き血をとり、酒やジュースとわって飲む場合もある。あとは甲羅をはずし、足を中心にほどいていく。傷みが早いので、家庭で食べる場合には新鮮なものを入手するか、調理済みの鍋セットを利用するとよい。すっぽんスープの缶詰を使って雑炊だけを楽しむこともできる。飲食店では、すでに鍋で煮込まれたものが提供されることが多い。 京都のすっぽん鍋専門店「大市」(上京区)は独特な調理法が知られた老舗だ。専用の浅い楽焼きの土鍋を底が真っ赤になるまで熱し、煮えたぎっているうちに客の前に提供する。古くから食通や文豪などに愛され続けている味は一子相伝として現在まで守られ続けている。 「月とすっぽん」とは、見た目は丸くて似ているのに、まったく違うことの例え。 江戸時代前期の元禄年間(1688〜1703)に、大阪にスッポン料理があったといわれている。江戸ではそれよりも後の寛延・宝暦年間(1748〜64)頃に、スッポン煮が登場したが、生臭いと人気がなく、中流階級以上は食べなかったようだ。 特に京都では専門料理店があり、日本料理店などでは冬の名物鍋としてコース料理などで提供される。自店で使うスッポンを専用に養殖している専門店もある。遠方からスッポン鍋を求めて京都を訪れる人も多い。高級料理として定着しているスッポン鍋だが、比較的安価に食べられる店もある。 本州、四国、九州と関東以西に広く生息するスッポンだが、市場に出回っているのは国内で養殖されたものがほとんど。静岡県の浜名湖付近や、九州で養殖が行われている。天然ものは、台湾・韓国・東南アジアから輸入される。
<主な具材> 家庭で楽しむ鍋用に捌かれたものを利用しよう ・土鍋にすっぽん、水、酒を加えてしっかり煮込む ・具材はできるだけシンプルに。スッポンだけでもよい |